太田の北にそびえる足利行道山をめぐる「県立自然ハイキングコース」は「関東ふれあいの道」として東京方面
からの日帰りの登山客も多い。
日本最古の「史跡足利学校」をはじめとする「歴史のまちを望む道」となっている織姫神社に至る尾根歩きは、なだらかな下りコースで四季を通
じて家族連れで賑わう。その途中のピークが両崖山(251メートル)。山頂には平安時代天喜二年(1054)に藤姓足利成行が最初に手懸けた足利城址があり、戦国の領主長尾氏が築いたといわれる山城の石垣、掘割が今に残る。眼下に広がる足利は史跡の宝庫でもある。足利氏の武家屋敷跡である鑁阿寺は堀と土塁に囲まれた鎌倉時代の様式を残した国重要文化財である。毎年、節分の夜行われる「鎧年越」は法螺貝、陣太鼓の音も勇ましく、戦国絵巻さながらの古式豊かな行事である。寺での大追儺式が終わると足利の春はすぐそこだ。 |
|