太田の北27Km、群馬県桐生市と栃木県田沼町の県境に、根本山(1,199m)を望める。
山の風光の素晴らしさは「根本山の晩鐘」「千代ヶ淵の青嵐」「お花畑の春暁」「獅子岩の秋月」「大滝の朝霧」「根本橋の夕照」「行者山の暮雪」「鳥屋場の紅葉」いわゆる根本山八勝に尽くされている。
古くから山岳信仰の盛んな、深山幽谷、修験場として知られ、歴史の記録は天正のはじめに遡る。江戸時代中後期には山神講が関東地方一円にでき、蘭学者の渡辺崋山も、天保年間、桐生を訪れた際、参拝しようとしたとの手記(毛武遊記)が残っている。安政年間には、江戸両国本所回向院境内で出開帳が計画され、絵図入りの江戸日本橋からの参詣案内書まであったという。根本山信仰の繁栄を物語る。
桐生川をせき止めた梅田ダムの完成により、里宮は梅田町に移転したが今でも石灯籠、常夜燈、狛犬などが往時を偲ばせる。 |
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