太田の北17キロ、手前の深高山と向こうの県境の根本山に挟まれるようにして、赤雪山(621m)を望める。
「あけき山」とも呼ばれ、戦国の昔、足利又太郎忠綱が折からの雪に残した足跡から追っ手の足利義兼の軍に見つかり、討ち取られ、その血で雪が赤く染まったところから付いたという山名の由来がある。
麓の登山口で足利七福人の一つ「名草弁才天」一帯は、花崗岩特有の風化現象を示すものとして国の天然記念物となっている「名草巨石群」である。社殿前の「胎内くぐり」の御供石、弁慶の手割石はじめ奥の院の石割楓、御船石など巨石巨岩の重なり合う様は、見る者の目を奪う。岩清水が流れ出る名草川は、古くから源氏ボタルの生息地として知られ、名草地区は環境省の「ふるさといきものの里」に認定されている。
六月中旬の名草ホタルまつりの頃は、辺り一帯、幻想的な「光の軌跡」に包まれる。 |
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